最近よく耳にする「ヨウ素」って何?甲状腺と深い関係があるミネラルとは
放射能の問題から「ヨウ素」という言葉をよく耳にするようになりましたね。でも実際、ヨウ素ってどんな働きをするものか、知っていますか?
さらに、女性に多い「甲状腺」の病気とも深〜い関係があります。ミネラルのひとつであるヨウ素は、一体どんな役割をもっているのでしょうか。
ヨウ素って?
ヨウ素は、体内に約15mg〜20mg存在し、そのほとんど(約70~80%)は甲状腺にあるといわれています。
食品では、主に下記のような海藻類や魚介類に多く含まれます。
・ 昆布
・ わかめ
・ 海苔
・ イワシ
・ カツオ
・ サバ
これらを食べると、胃や腸で吸収されますが、摂取した量とほぼ同量が吸収され(ミネラルの中でも優秀な吸収率の高さ!)、そのほとんどが尿と一緒に排出されます。
甲状腺とは、どんな関係が?
ヨウ素は、甲状腺ホルモンの主原料。
このホルモンの働きは、
1、 新陳代謝を促す・・・交感神経を刺激し、糖質・タンパク質・脂質などの代謝を促す働きをします。皮膚や髪、爪などを健康に、そして美しく保ちます。
2、 体や脳の成長を促す・・・胎児の発育や子どもの成長にも重要な役割をしています。(新生児が不足した場合、脳の発育や成長に大きな影響を及ぼし、知能障害や身長が伸びないクレチン症を引き起こす危険が!)
他にも、内臓の働きを調整したり、自律神経のコントロールを行うなど、重要な役割を担っています。
このホルモンの原料となるヨウ素が「不足」または「過剰」になってしまうと、甲状腺に異常が発生します。
ヨウ素が不足・過剰になると…?
「不足」
甲状腺腫、新陳代謝の低下、成長障害、貧血、低血圧、肌の乾燥、体力低下
「過剰」
甲状腺腫、甲状腺機能障害、体重減少、体力低下、過敏症
不足してもダメだけど、過剰に摂るのも良くない…なんだか難しく感じてしまいますね。しかし、実は私たち日本人は「不足」になることはあまりないのだとか?!
注意すべき人は、どんな人?
周りを海で囲まれた土地柄(日本)、海産物を多く食べる習慣から、日本でヨウ素不足になることはあまりないと言います。(世界的には、ヨウ素は不足しがちな栄養素!)
どちらかと言えば、過剰症の方が心配されます。しかし、健康な人であれば、多く摂ったとしても、排泄によって調整することができるので大丈夫!
「長期間の過剰摂取」や「甲状腺疾患をお持ち」の方は、不足した場合と同じように体に異常が生じやすくなるので、ヨウ素の摂取量には十分注意しましょう。